カーボンコピーメタファを用いたトラックパッド入力モード切替え技法


一般的なPCに装備されたトラックパッドでの手書きの文字入力やイラスト描画は,スマートフォンやタブレットPCでの入力に比べて操作に時間を要する.これは後者においては,入力面座標が画面座標に1対1対応する絶対座標系による入力であるのに対し,前者はマウスと同じく指の移動量をポインタの移動量に対応させた相対座標系を基準とした入力方式だからである.
本研究では,トラックパッド入力においてこれら2つの入力方式を直感的に切り替えるインタフェースとして,カーボンコピーメタファを利用したトラックパッド用対話技法を提案する.本手法では,トラックパッドからの入力を絶対座標での入力として扱う小領域をPC画面上に設定する.カーボンコピーメタファは,この領域を手元にある”カーボン紙片”と見なし,非利き手でカーボン紙片の移動と固定のモード切替えを実行し,利き手で移動と入力を行う手法である.本論文では相対座標系および絶対座標系に基づく2種類の入力方式に着目し,これらを切り替えるインタフェースを設計し,作業効率に関する評価実験を実施したうえで,実際にGUI環境で利用できるシステムの実装を行った.

  • ○Kaori Ikematsu and Itiro Siio:
    Carbon Copy Metaphor: Combining Absolute and Relative Coordinates Inputs for Trackpad
    In Proceedings of 29th Australian Conference on Human-Computer Interaction, pp.492-496. ACM OzCHI ’17. [ACM]
  • ○Kaori Ikematsu and Itiro Siio:
    An Input Switching Interface Using Carbon Copy Metaphor:
    UIST 2016 Adjunct Publication, pp.93-95 . ACM UIST 2016.
    (Refereed demo) [ACM]
  • ○池松 香 , 椎尾 一郎, カーボンコピーメタファを用いたトラックパッド入力モード切替技法
    情報処理学会論文誌,58(5), pp.1014–1024 (2017-05-15) [Link]
  • ○池松 香, 椎尾 一郎, カーボンコピーメタファを用いたトラックパッド用対話技法,
    情報処理学会インタラクション2016, pp.54-61, 2016.3.2-4,
    査読付き登壇発表(ロング:採択率47%) 及びインタラクティブ発表,
    ベストペーパー候補.
  • パソコンの手書き文字入力、速度1.5倍−お茶の水女子大、新方式開発,日刊工業新聞,2017年1月27日 [Link]